労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年十二月二十八日労働省告示第百五十四号)
改正:H22.4.1適用(H21.5.29厚生労働省告示316)−改正前改正後

(業務区分の細分化)
第一条 労働基準法(以下「法」という。)第三十六条第一項の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者(以下「労使当事者」という。)は、時間外労働協定において労働時間を延長する必要のある業務の種類について定めるに当たっては、業務の区分を細分化することにより当該必要のある業務の範囲を明確にしなければならない。

(一定期間の区分)
第二条 労使当事者は、時間外労働協定において一日を超える一定の期間(以下「一定期間」という。)についての延長することができる時間(以下「一定期間についての延長時間」という。)を定めるに当たっては、当該一定期間は一日を超え三箇月以内の期間及び一年間としなければならない。

(一定期間についての延長時間の限度)
第三条 労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間についての延長時間は、別表第一の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならない。ただし、あらかじめ、限度時間以内の時間の一定期間についての延長時間を定め、かつ、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情(臨時的なものに限る。)が生じたときに限り、一定期間についての延長時間を定めた当該一定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨及び限度時間を超える時間の労働に係る割増賃金の率を定める場合は、この限りでない。
2 労使当事者は、前項ただし書の規定により限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定めるに当たっては、当該延長することができる労働時間をできる限り短くするように努めなければならない。
3 労使当事者は、第一項ただし書の規定により限度時間を超える時間の労働に係る割増賃金の率を定めるに当たっては、当該割増賃金の率を、法第三十六条第一項の規定により延長した労働時間の労働について法第三十七条第一項の政令で定める率を超える率とするように努めなければならない。


(一年単位の変形労働時間制における一定期間についての延長時間の限度)
第四条 労使当事者は、時間外労働協定において法第三十二条の四の規定による労働時間により労働する労働者(三箇月を超える期間を同条第一項第二号の対象期間として定める同項の協定において定める同項第一号の労働者の範囲に属する者に限る。)に係る一定期間についての延長時間を定める場合は、前条の規定にかかわらず、当該労働者に係る一定期間についての延長時間は、別表第二の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならない。
2 前条ただし書前条第一項ただし書、第二項及び第三項の規定は、法第三十二条の四第一項の協定が締結されている事業場の労使当事者について準用する。

(適用除外)
第五条 次に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、前二条の規定(第四号に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、厚生労働省労働基準局長が指定する範囲に限る。)は適用しない。
 一 工作物の建設等の事業
 二 自動車の運転の業務
 三 新技術、新商品等の研究開発の業務
 四 季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として厚生労働省労働基準局長が指定するもの


別表第一(第三条関係)
期間
限度時間
一週間
十五時間
二週間
二十七時間
四週間
四十三時間
一箇月
四十五時間
二箇月
八十一時間
三箇月
百二十時間
一年間
三百六十時間
備考 一定期間が次のいずれかに該当する場合は、限度時間は、当該一定期間の区分に応じ、それぞれに定める時間(その時間に一時間未満の端数があるときは、これを一時間に切り上げる。)とする。
 一 一日を超え一週間未満の日数を単位とする期間 十五時間に当該日数を七で除して得た数を乗じて得た時間
 二 一週間を超え二週間未満の日数を単位とする期間 二十七時間に当該日数を十四で除して得た数を乗じて得た時間
 三 二週間を超え四週間未満の日数を単位とする期間 四十三時間に当該日数を二十八で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が二十七時間を下回るときは、二十七時間)
 四 一箇月を超え二箇月未満の日数を単位とする期間 八十一時間に当該日数を六十で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が四十五時間を下回るときは、四十五時間)
 五 二箇月を超え三箇月未満の日数を単位とする期間 百二十時間に当該日数を九十で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が八十一時間を下回るときは、八十一時間)

別表第二(第四条関係)
期間
限度時間
一週間
十四時間
二週間
二十五時間
四週間
四十時間
一箇月
四十二時間
二箇月
七十五時間
三箇月
百十時間
一年間
三百二十時間
備考 一定期間が次のいずれかに該当する場合は、限度時間は、当該一定期間の区分に応じ、それぞれに定める時間(その時間に一時間未満の端数があるときは、これを一時間に切り上げる。)とする。
 一 一日を超え一週間未満の日数を単位とする期間 十四時間に当該日数を七で除して得た数を乗じて得た時間
 二 一週間を超え二週間未満の日数を単位とする期間 二十五時間に当該日数を十四で除して得た数を乗じて得た時間
 三 二週間を超え四週間未満の日数を単位とする期間 四十時間に当該日数を二十八で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が二十五時間を下回るときは、二十五時間)
 四 一箇月を超え二箇月未満の日数を単位とする期間 七十五時間に当該日数を六十で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が四十二時間を下回るときは、四十二時間)
 五 二箇月を超え三箇月未満の日数を単位とする期間 百十時間に当該日数を九十で除して得た数を乗じて得た時間(その時間が七十五時間を下回るときは、七十五時間)


附 則(平成一二年一二月二五日労働省告示第一二〇号)

(適用期日)
第一 この告示は、内閣法の一部を改正する法律(平成十二年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から適用する。

(平成十五年十月二十二日厚生労働省 告示第三百五十五号)
 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十六条第二項の規定に基づき、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)の一部を次のように改正し、平成十六年四月一日から適用する。

(平成二十一年五月二十九日 厚生労働省告示第三百十六号)
 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十六条第二項の規定に基づき、労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)の一部を次のように改正し、平成二十二年四月一日から適用する。

 第三条ただし書中「できる旨」の下に「及び限度時間を超える時間の労働に係る割増賃金の率」を加え、同条に次の二項を加える。

2 労使当事者は、前項ただし書の規定により限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定めるに当たっては、当該延長することができる労働時間をできる限り短くするように努めなければならない。
3 労使当事者は、第一項ただし書の規定により限度時間を超える時間の労働に係る割増賃金の率を定めるに当たっては、当該割増賃金の率を、法第三十六条第一項の規定により延長した労働時間の労働について法第三十七条第一項の政令で定める率を超える率とするように努めなければならない。

 第四条第二項中「前条ただし書」を「前条第一項ただし書、第二項及び第三項」に改める。