第一章 総則 TOP
(適用)
第一条 この省令は、事務所(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に掲げる建築物又はその一部で、事務作業(カードせん孔機、タイプライターその他の事務用機器を使用して行なう作業を含む。)に従事する労働者が主として使用するものをいう。)について、適用する。
2 事務所(これに附属する食堂及び炊事場を除く。)における衛生基準については、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第三編の規定は、適用しない。
第二章 事務室の環境管理 TOP
(気積)
第二条 事業者は、労働者を常時就業させる室(以下「室」という。)の気積を、設備の占める容積及び床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。
(換気)
第三条 事業者は、室においては、窓その他の開口部の直接外気に向つて開放することができる部分の面積が、常時床面積の二十分の一以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分に行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。
2 事業者は、室における一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率(一気圧、温度二十五度とした場合の空気中に占める当該ガスの容積の割合をいう。以下同じ。)を、それぞれ百万分の五十以下及び百万分の五千以下としなければならない。
(温度)
第四条 事業者は、室の気温が十度以下の場合は、暖房する等適当な温度調節の措置を講じなければならない。
2 事業者は、室を冷房する場合は、当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着用させた場合は、この限りでない。
(空気調和設備等による調整)
第五条 事業者は、空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。)又は機械換気設備(空気を浄化し、その流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。)を設けている場合は、室に供給される空気が、次の各号に適合するように、当該設備を調整しなければならない。
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(作業環境測定等)
第七条 事業者は、労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)第二十一条第五号の室について、二月以内ごとに一回、定期に、次の事項を測定しなければならない。ただし、当該測定を行おうとする日の属する年の前年一年間において、当該室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下である状況が継続し、かつ、当該測定を行おうとする日の属する一年間において、引き続き当該状況が継続しないおそれがない場合には、第二号及び第三号に掲げる事項については、三月から五月までの期間又は九月から十一月までの期間、六月から八月までの期間及び十二月から二月までの期間ごとに一回の測定とすることができる。
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事項 | 測定器 | ||||||
浮遊粉じん量 | グラスフアイバーろ紙(〇・三マイクロメートルのステアリン酸粒子を九九・九パーセント以上捕集する性能を有するものに限る。)を装着して相対沈降径がおおむね十マイクロメートル以下の浮遊粉じんを重量法により測定する機器又は当該機器を標準として較正された機器 | ||||||
一酸化炭素の含有率 | 検知管方式による一酸化炭素検定器 | ||||||
二酸化炭素の含有率 | 検知管方式による二酸化炭素検定器 | ||||||
気温 | 〇・五度目盛の温度計 | ||||||
相対湿度 | 〇・五度目盛の乾湿球の湿度計 | ||||||
気流 | 〇・二メートル毎秒以上の気流を測定することができる風速計 | ||||||
<ホルムアルデヒドの量 | 二・四−ジニトロフェニルヒドラジン捕集−高速液体クロマトグラフ法により測定する機器、四−アミノ−三−ヒドラジノ−五−メルカプト−一・二・四−トリアゾール法により測定する機器 | ||||||
備考
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作業の区分 | 基準 |
精密な作業 | 三百ルクス以上 |
普通の作業 | 百五十ルクス以上 |
粗な作業 | 七十ルクス以上 |
(騒音及び振動の防止)
第十一条 事業者は、室内の労働者に有害な影響を及ぼすおそれのある騒音又は振動について、隔壁を設ける等その伝ぱを防止するため必要な措置を講ずるようにしなければならない。
(騒音伝ぱの防止)
第十二条 事業者は、カードせん孔機、タイプライターその他の事務用機器で騒音を発するものを、五台以上集中して同時に使用するときは、騒音の伝ぱを防止するため、しや音及び吸音の機能をもつ天井及び壁で区画された専用の作業室を設けなければならない。
第三章 清潔 TOP
(給水)
第十三条 事業者は、労働者の飲用に供する水その他の飲料を十分に供給するようにしなければならない。
2 事業者は、水道法第三条第九項に規定する給水装置以外に給水に関する設備を設けて飲用し、又は食器の洗浄に使用する水を供給するときは、当該水について、次に定めるところによらなければならない。
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(便所)
第十七条 事業者は、次に定めるところにより便所を設けなければならない。
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(洗面設備等)
第十八条 事業者は、洗面設備を設けなければならない。
2 事業者は、被服を汚染し、若しくは湿潤し、又は汚染し、若しくは湿潤するおそれのある労働者のために、更衣設備又は被服の乾燥設備を設けなければならない。
第四章 休養 TOP
(休憩の設備)
第十九条 事業者は、労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない。
(睡眠又は仮眠の設備)
第二十条 事業者は、夜間、労働者に睡眠を与える必要のあるとき、又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会のあるときは、適当な睡眠又は仮眠の場所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
2 事業者は、前項の場所には、寝具、かやその他の必要な用品を備え、かつ、疾病感染を予防する措置を講じなければならない。
(休養室等)
第二十一条 事業者は、常時五十人以上又は常時女性三十人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
(立業のためのいす)
第二十二条 事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。
第五章 救急用具 TOP
第二十三条 事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。
2 事業者は、前項の救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない。
附則 TOP
(施行期日)
第一条 この省令は、昭和四十七年十月一日から施行する。
(廃止)
第二条 事務所衛生基準規則(昭和四十六年労働省令第十六号)は、廃止する。
−途中改正附則省略−
附則 (平成九年一〇月一日労働省令第三二号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成十六年三月三十日厚生労働省令第七十号)
1 この省令は、公布の日から施行する。ただし、第一条中事務所衛生基準規則第五条の改正規定、第七条の次に一条を加える改正規定、第八条の改正規定(「前条」を「第七条」に改める部分を除く。)及び第九条の次に一条を加える改正規定は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。
2 この省令の施行の際現に中央管理方式以外の空気調和設備又は機械換気設備を設けている室については、当分の間、第一条による改正後の事務所衛生基準規則第五条第一項第一号の規定は、適用しない。
3 この省令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。